学長挨拶
東京医科大学医学総合研究所は2008年に発足した「難病治療研究センター」を母体とし、より発展させる形で2010年1月に設立されました。その活動は、基礎医学研究を強力に推進する研究部門と、研究の推進を全学的にサポート、底上げする共同利用部門とに大きく分けることができます。
現在、免疫制御、分子細胞治療、難病分子制御という3つの研究部門が最先端の研究を推進しています。一方で、新宿キャンパス共同研究センター、西新宿キャンパス共同研究センターという共同利用部門が設置され、トランスレーショナル部門、コンサルテーション部門とともに、大学全体としての研究活性化に要する様々なニーズに十分に応えられるサポート体制を整えています。
2019 年には、低侵襲医療総合開発センターと分子標的探索センターが医学総合研究所に加わり、2020 年4 月より(旧)中央校舎共同利用研究室、ならびに(旧)臨床共同研究センターをそれぞれ、新宿キャンパス共同利用研究センター、西新宿キャンパス共同利用研究センターと名称変更いたしました。さらに今年、共同利用研究センターの機能を充実し、全学的な研究サポート体制を盤石なものとするために、2021 年4 月より疾患モデル研究センターを医学総合研究所内に設置するよう組織改変いたしました。
近年、医学部は研修医制度や専門医制度の変更、臨床業務の負担増などにより、大学でありながら研究時間の確保がきわめて困難な状況にあります。一方で基礎研究は医学の進歩のために、ひいては人類の幸福のためになくてはならないものです。医学総合研究所を中心に、基礎医学・臨床医学の各分野との共同研究を活性化し、アカデミア間や産官学の連携の強化を図り、全学的な協力体制のもとで、本学の研究力を戦略的に向上させていきたいと思います。
所長挨拶
分子病理学分野 主任教授
東京医科大学の医学総合研究所は、東京医科大学の研究力の向上のため2010年に1月に設立されました。その後、研究所は付置研究所の組織となり、現在は、トランスレーショナルリサーチを強力に推進する研究部門と、研究の推進を全学的にサポート、底上げする共同利用部門が設置されています。特に共同利用部門は、2019 年に低侵襲医療総合開発センターと分子標的探索センターが医学総合研究所に加わり、さらに現在は、新宿キャンパス共同利用研究センター、西新宿キャンパス共同利用研究センターまた、疾患モデル研究センターが医学総合研究所内に設置されました。
また、研究部門は、免疫制御、分子細胞治療、難病分子制御という3つの研究室が最先端のトランスレーショナルリサーチを推進しています。
さて、本学のような医科大学の使命は、改めて述べるまでもなく「臨床」、「研究」、「教育」の3つの要素を高度に実践し、社会貢献をすることであります。その中で医学総合研究所の役割は「研究」の領域において極めて重要な役割を担うものと考えます。そして、研究力の向上は大学の足腰を支えるものです。
さて、昨今、橋渡し研究の重要性が社会的に認知され、各大学でTLOの設置がすすみ、シーズの発掘も重要視されています。また、産学連携が活発なアメリカの大学のシステムと比較され、産学連携の為の組織構築を含めて様々な議論が行われています。最近本学でもAROの機能をもった、臨床研究推進センターが設置されました。しかしながら、革新的な新薬、治療技術の発展には、まずは基礎研究こそが第一です。抗体医薬品、分子標的医薬品、核酸医薬品、CART療法、mRNAワクチンなど近年の革新的な治療法は、いずれも地道な基礎研究から生まれたものです。そこで、医学総合研究所は、今あらためて研究の重要性を考えて活動していきたいと考えています。関係者各位の皆様方のご支援をお願い申し上げます。
沿 革
平成10年度、本学は文部科学省・私立大学学術研究高度化推進事業のハイテク・リサーチ・センター整備事業に選定されました。そして、研究組織に「難病治療研究センター」という名前が付けられ、所長として本学出身で、第四代WHO事務局長の中嶋宏先生をお迎えしました。その後、一度組織名が「難治性免疫疾患研究センター」に変わったものの、継続的に文部科学省私学助成を獲得し、着実に研究を発展させてまいりました。そして、平成28年に創立100周年を迎えるにあたり、本学の研究活動及び研究支援体制の強化を目的に、「難病治療研究センター」を発展させる形で「医学総合研究所」が平成22年1月に設立され、3つの研究部門よりスタートしました。
現在では基礎医学研究を強力に推進する3つの研究部門と、研究の推進を全学的にサポート、底上げする5つの共同利用研究部門に拡充し研究を展開しております。